少し風が強かったけれど、気持ちよく晴れた青空の下、第84回全京都統一メーデーが開催されました。今年のメーデーは、改憲勢力が8割を占める国会において、国民世論の力で国会を包囲していくために「憲法改悪反対」一点での共同づくり、「消費税増税・TPP参加反対」「原発ゼロ」「米軍レーダー基地配備計画撤回」などを求める市民運動、社会運動と連帯し、労働者の切実な諸要求実現とその実現にむけた国政・府政の転換をめざすメーデーとして開催されました。
私は、御池通り西洞院で、大型宣伝カーから、井上さとし参議院議員、倉林明子参議院京都選挙区予定候補、玉本なるみ京都市議とともに、中コースのデモ隊を激励しました。その後は、中コースのデモに合流し、祇園石段下まで歩きました。
ところで、連合京都の「京都中央メーデー」は、今年も5月1日ではなく、4月28日に開催されたそうですが、4月に開催するのに、「メーデー」を名乗るのは、いかがなものか、と思います。「メーデー」ならぬ、「迷デー」ではないでしょうか。
メーデー終了後は、恒例の北地区委員会勤務員の交流会に参加し、午後4時からは、大宮南支部のXバンドレーダー問題の学習会に講師として参加しました。自治労連のみなさんが作られたビラがわかりやすかったので、活用させてもらいました。参加者からは、「米軍基地再編交付金も米軍と家族のための住宅建設なども、日本国民の税金が使われるのではないか。そんなムダ使いは許せない」「青森の車力は住宅地から2キロだが、経ケ岬は数百メートル、10倍近くも差がある」「署名運動に直ちにとりくむとともに、現地視察ツアーも検討しよう」など、活発に意見がかわされました。
東野圭吾の最新作「夢幻花」を読み終えました。この作家の作品には外れなし、話の展開がどうなるのか、先が知りたくて、一気に読み進みました。ミステリーとしての面白さとともに、社会批判も忘れていません。「未来を感じて」大学の原子力工学科に進んだ主人公が、東日本大震災と福島第一原発事故によって、未来への地図を引き裂かれます。その主人公にエピローグで、「ふつうの家なら、放置しておけば自然と廃屋になる。だけど原発は違う。放置しておけば勝手に廃炉になるというわけじゃない。たとえ発電していなくても、厳重に管理し、慎重に廃炉への手順を踏んでいく必要がある。おまけに廃炉の際には、膨大な量の放射性廃棄物が発生する。それを処分する場所さえ、まだ決まっていない。そういう場所を作れるかどうかさえ不明だ。仮に処分場ができて、そこに埋めたとしても、放射能の値が安全なレベルまで下がるまでには何万年もかかる。実質的にこの国は、もう原発からは逃れられないんだ。そういう選択を、何十年も前に済ませてしまっているんだ」と語らせています。そして、作者はそれを「負の遺産」と呼んでいます。
お薦めの一作です。